世界中の人から愛される宝石アメジスト
古代から多くの人々に愛され、深い紫色が美しく宝石として人気のあるアメジスト。
アメジストは紫色を帯びた水晶のことです。水晶の元素であるケイ素の一部が鉄イオンに置き換わり、放射能鉱物の影響により美しい紫色になることが近年になりわかりました。
英名はギリシャ語で「酒に酔う」という意味のmethyと、「禁じる」という意味のa、に由来しています。アメジストをお守りとして身につけているとお酒に酔わないとされていました。
■英名:amethyst
■和名:紫水晶
■組成:SiO2
■結晶系:三方晶系(低温型)/六方晶系(高温型)
■硬度:7.0
■比重:2.65
■注意点:紫外線に当てすぎると色が褪せる、また加熱すると色が変化する
アメジストの色について
アメジストはガラスのように光沢があり半透明で、深い紫のものから淡いライラックカラー、ピンクがかったもの、灰色っぽいものまであり、意外と多くのカラーバリエーションが存在します。
ライラックカラーは「ラベンダーアメジスト」、ピンクに近いカラーは「ピンクアメジスト」という名前で販売されています。
紫外線を照射したり、加熱処理をして色を変えることもあり、そのようなアメジストは「カラーチェンジアメシスト」「カラーチェンジタイプアメシスト」と言われます。
アメジストの産地
ブラジル、ザンビア、ウルグアイなどを主にし、世界各地でみられます。
世界第一の産出地はブラジル南部です。
日本では宮城県、鳥取県で産出され、その美しさから『加賀紫』と呼ばれることも。
アメジストの歴史
アメジストは伝説や言い伝えも多く、古くから私たちに馴染みのある石です。
紀元前3100年頃のエジプトでは印鑑や魔除けとして、紀元前2000年以上前の古代メソポタミアでも、身分の高い人たちの間で使われていました。
またキリスト教ではイエス・キリストの11番目の使途である聖マタイの石とも呼ばれていました。カトリックでは「司教の石」とされ、宗教儀式の際には指輪として身につけていたと言われています。
日本では平安時代に書かれた深根輔仁の『 本草和名 』という薬の本の中に初めて登場します。本の中では「紫石英」について書かれていますが、後にそれは「紫水晶」つまりアメジストであったと訂正されました。
グレードの高いアメジストとは
色のついた水晶の中では一番評価が高く、深い紫色で、色の混ざりや色むらが少ないほど高品質とされています。